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Posted by チェスト at

2011年05月12日

甑列島会議



台風1号が発生。

熱帯低気圧に変わったものの天気は優れず、さつまいもの植え付けが一向にはかどらない。
雨がよく降るので、田圃の稲たちが元気いっぱいになってきて嬉しいんだけれど、雑草たちも元気で、残念だ(笑)畑のロロン(かぼちゃ)たちもすくすく成長している。早いところ枝を切らなきゃいけないな。

そんな感じで、毎日のあれこれが進んでいるんだけれど、どうしても人手が足りない。

誰かを雇いたいところだけれど、そうもいかない現実で、あいかわらず腰も痛い。
ここで折れたら鼻で笑われるんだろうななんて考えながら、頭の中はもう次のやるべきシゴトを考えている。誰かの声に、いちいち腹を立てているほど暇じゃない。

そんな風にして?良くも悪くも季節は巡っていく。所詮、僕は灰になる。あんたらも然り。
どうせ、生きるのなら愉しく、誰かの為に生き、愛するひとたちのために死んでいきたいものだ。

どちらにせよ、同じ人生だー

過去を振り返り、「もし」って言葉はひとまず忘れてみようと思う。
それは、過去の自分に対して失礼だと思うから。
あの時、必死になって生きていた自分に。そして、支えてくれた仲間に。

最良の選択をした。

そう、信じなければならないのだ。
精確には、そう信じたいのだ。これまで生きてきた責任がある。だから、今は黙ってやれ、だ。

甑列島会議では、なにも生まないかもしれない。
でも、なにか生まれるかもしれない。それは、分からない。会議の最後に残るものが、一体なんなのか、正直言って僕には分からない。ただ、ひとつ云えること。それは、分からないからやるということだ。わかるまで、命ある限り続けていきたい。

そして、さらに大切なことは、これまでもずっと自分以外の誰かが続けてきたということだ。

アートとか、観光とか、農業とか、地域デザインとか、

客寄せのイベントがしたいんじゃない。
誇りをもって、地域に生きる、そしてほんのちょっと誰かの幸せを考えるって
いうような、とても小さくて大きなこと。すごく大切なこと。

列島のすべての有人島は、あと数年もすれば橋でひとつにつながるんだけれど、
それを「ひとつ」になったというならば、僕は完成した橋の真ん中から飛び降りて死んでもいい。
それくらい本気になって列島全体を考えるひとがいてもいいと僕は思う。もしくは、今ある組織に
外部の視点を持ったよそものをいれてそういうものにシフトしてもいい。

結局は、自分のこと、自分のコミュニティを考えないことには、他人のまちなど考えられない。

いや、まてよ・・・いまある組織同士が、となりまちを訪問して「外部の視点」として意見してもらうというのはどうだろうか。

同じ「甑島」を共有している仲間として。
互いに成長し合い、こしきがひとつになるために。

なんて、ブログの記事をつらつらと書きながらひとり会議になってしまう。いや、独り言か(笑)

今回、Vol.1〜Vol.5までゲスト多数。下甑島でも開催(規模は小さいけれど)します。

この会議続けていったら絶対面白くなる気がする。

***

ジェフリー・S・アイリッシュ 氏(ノンフィクションライター・民俗学研究者)
米国生まれ。清水建設退職後、下甑島で3年間漁師。
ハーバード大学院修士課程・京都大学留学を経て南九州市川辺町の土喰集落に移住。


山崎亮 氏(studio-L/主宰)
京都造形芸術大学空間演出デザイン学科の学科長。
隠岐島海士町の総合振興計画(島の幸福論)や天文館マルヤガーデンズなどに関わる。


イサモトアツコ 氏(離島経済新聞社/代表)
編集、ライター、イラストレーターなど経て、
島をキーワードに日本を考えるWEBメディアを立ち上げる。

Tenbiz(任意団体)
鹿児島で活躍する社会人や学生が個々人の得意分野を互いに共有し、
各人のスキルや能力を高めることを目的とした学びのコミュ二ティ。

***

詳細は、別途アップします。
尚、画像に記載されている日程は現在、調整中のものです。
あしからず。  


Posted by ヤマシタケンタ at 15:24Comments(0)デザイン

2011年05月05日

Engawa Cafe + 島内散歩



昨日は、川内市・鹿児島市内から島内散歩のお客様があり、

甑島に来たのが初めてというおふたりでした。

里港12:30着のフェリーで来島し、16:05発の高速船で本土に戻るという日帰りのスケジュールとのこと。今回の島内散歩の時間は13:00から15:45までとなっておりましたので、滞在時間のほぼ全てを同行させていただくことになりました。なんとも、甑島の第一印象が僕のご案内次第ということになってしまったわけです(笑)

もう二度と甑島へいくもんか。面白くなかった。そういわれてしまっては困るので、張り切って集合場所へ向かったところ、ご案内用の写真ファイルをうっかり車に忘れてきました(笑)

いかんいかん。



僕のガイドしている島内散歩は、観光の名所や景勝地などは一切ご案内しないので、初めて甑島を訪れる方々は満足していただけるのか、とても不安でした。では、一体どこをご案内するかというと・・・答えは、なんでもない島の日常。島の人にとっては、当たり前になってしまった風景も、島を知らない方にとっては奇跡のような光景にもなることがあります。実際に、甑島に住んでいる里青年団員を案内した時でさえも、あまりにも日常の風景すぎて見落としていたこと、知らなかったことが沢山あったとのことでした。

玉石垣の内部の構造や、どんな風にして積み上げたのかを見ることができるか?

やはり、見ようとしなければ、見えませんね。

知ろうとしなければ、そこに先人たちの手のぬくもりがあったことさえも分からないままなのです。



甑島にある歴史の登場人物や年号を覚えることも大切ですが、名もなき島の先人たちの苦労や生き方に触れることは、今の僕らにとって大切なことを教えてくれているような気がします。例えば、1192年に源頼朝が鎌倉幕府をつくったことは教えられても、どんな覚悟や想いで幕府をつくったのか、学校は教えてはくれませんよね。

この島の至る所では、名もなき偉人たちのぬくもりを垣間みることができるのです。

この島の海を、僕らはなぜ美しく感じるのか、

島の暮らしと向き合い始めて、最近ちょっとだけ分かってきました。

島内散歩の途中で、すれ違う島の人々と挨拶を交わしたり、会話したり、時にはお家に御邪魔したり、そのときそのときの出会いもやはり楽しいものですね。「トーラッシャイモーセー」(=通らせて下さい)と、島の方言を使ってお客様に挨拶していただくような場面や、洗濯物のあいだをくぐり抜けたり、普段の観光とはひと味もふた味もちがった甑島の旅になったのではないでしょうか。

背伸びせず、ありのままの甑島を「魅せる」。

でもそれは、地域がそのままであり続けていいということではないのです。

ただ見せるだけでも、意味が無いのです。



事務所に戻って、パソコンを開くと「今度は8月の下旬にみんなを誘って行きたい。」という御礼のメールが届いていました。

感無量とは、このことか!!!(笑)

さて、今夜もEngawa Cafe' 021のバータイム。

お食事の後にでも、お気軽にお立ち寄りください!  


Posted by ヤマシタケンタ at 18:03Comments(11)景観まちづくり

2011年05月05日

甑島という生き方



この島はずっと昔から、半農半漁の暮らしをしてきた。

あるときは、漁師。あるときは、百姓。

そして、あるときは、牛飼いとしてずっと生きてきた。

最近、あなたは何者ですか?と聞かれることが多くなったのだけれど、僕は「わかりません」と言う。それは、自分のしていることがわからないから「わからない」のではなく、何者かを聞かれてもそこに該当する答え方の検討がつかないのです。私は、会社員です。営業をしています。私は、土木作業員です。道路をつくっています。私は、ショップの店員です。雑貨を販売しています。

でもそれではきっと、あなたは何者か?の問いには応えられていないような気がする。

山下商店 KOSHIKI ART PROJECT 島米  made in KOSHIKI. ヤマシタファーム
島景再生 Engawa Cafe' 021 甑列島会議 しまなびガイド

ヤマシタケンタとして関わっている、携わっている事業や企画などを考えてみると、

半農半漁ではないけれど、
半農半アート 半農半デザイン 半農半ガイド 半農半まちづくり

働く場所が海でないだけで、以前の甑島と変わらない暮らし方をしていると思う。僕は「甑島という生き方」にずっと憧れてきた。この島を好きになりたくて、帰ってきた。何者でもない。ふつうのひと、甑島のひと。この島に何を求めるかとか、この島をどう変えたいとかそんなことよりも、リアリティのある場所で、


ひとりの人間として甑島という生き方をしたいだけだ。



ーーー


地方に住む人のほとんどが情報の消費者であって発信者ではない。
地元で始まったことはパリやNYや東京から発信されるものよりも劣っているという前提の上で地方のすべての意識は始まる。日本の地方は独自の文化とプライドを失ったが、世界でもっとも裕福なレベルに近い生活を過ごしている。しかしそれはプライドを失った代わりに飢えること無く死ぬまで消費する権利を与えられたに過ぎない。

自分たちの住む町で始まった文化が日本で世界で評価されることで日本の地方はプライドを取り戻す。そのためには何が起ころうと何を言われようとプライドを捨てずに続けることが大切だ。そういった誇りを持って働ける人物が何人いるかでその町や国の価値が決まる気がしてならない。

ロックンロール・ストリート・スライサーズ
メインヴォーカル デーモン秀島(10万38歳)


※秀島さんは、岡山のふつうのパン屋(笑)  


Posted by ヤマシタケンタ at 11:28Comments(0)島に生きる

2011年05月03日

輸入ビール入荷



上甑島 Engawa Cafe' 021 本日も営業しております。

昨日は店休日でしたが、8日までの間(am10:00-pm16:00)(pm19:00-23:00)2部制でオープンしていますので、まだ行かれていない方は、ゴールデンウィーク期間中※(6日は店休日)に是非お越し来ださい。スタッフ一同お待ちしております。

朝一、畑から収穫したばかりの野菜たちを持っていくと、すでに野菜やパンを目的に来店された奥様方がいらしておりました。そこにうちの母もおり、サヤエンドウを指差して「これはどこの畑でつくってるの?」と母が聞くと、周りの奥様方が「教えたらダメ(笑)畑から無くなるよ。」と笑っていました。さすが、うちの母です。



おかげさまで、正午前には本日分のパンが完売。先日、発売したばかりの「たまいしクッキー」も、頼むから売れないで!!と(笑)言っておりましたが、僕の商品愛も虚しく、発売2日目で完売致しました。少しでも多くの皆さんに食べていただきたい気持ちはあるのですが、ひとつひとつ丁寧に手作りさせていただいております。あしからずご了承ください。尚、パンは明日も販売する予定ですので、お早めにカフェへお越し下さい。

さて、お昼のスイーツも楽しみな時間となりましたが、19:00からのバータイムには、今日から様々な国のビールや甑島産のひものなどをご用意しております。玉石垣のライトアップもされる予定ですのでどうぞお楽しみに!!!  


Posted by ヤマシタケンタ at 14:18Comments(0)その他

2011年05月01日

Engawa Cafe + 東北支援



ゴールデンウィーク2日目、上甑島にあるEngawa Cafe' 021が賑わっております。先月末にキッチンの改修工事を終えたことで、ようやく飲食店としての営業許可が下りました。昨年の夏より、もともと空き家だったお宅をお借りしてKOSHIKI ART PROJECTの会場としていましたが、「ずっとここがあって欲しい」の声をいただき飲食店として小さく、細く(笑)営業していくことになりました。

ただいま、5月8日までの期間限定でオープンしております。※3日と6日はお休み。

今日も朝から、無農薬野菜や国産小麦使用の手作りパン、出来たばかりのたまいしクッキーなどが店頭に並びました。お昼は、甑島近海で穫れた新鮮な魚の天日干しランチがあり、鹿児島市内のお客様などがいらして下さいました。また、チーズケーキや季節のシフォンケーキ(よもぎ)などもあり、皆さん大満足の様子でした。ちなみに、コーヒーも注文を受けてから豆を挽いているので香りが凄くイイんです。



ほんとうにうまい!塩加減が抜群!

やり方を教えてくれといってもかたくなに拒否する、上甑島のキワコおばちゃん!

「これは寝ずに考えた!」「思いついた夜は、朝が待ち遠しかったのよ!」その喜びの味をEngawa Cafe のランチでしっかり伝えます。僕たちスタッフの自慢の一品です。アジとカマスのどちらかを選べます。僕は、キワコおばちゃんのカマスの天日干しがたまらなく好きです(笑)百聞は一見にしかずですね。今は無くなってしまいましたが、僕が16歳で無職だったころ、ここの漁船に乗って漁に出ていたことを思い出します・・・これ以上いうと涙が出るのでやめておきます。



玉石垣のあるEngawa Cafe '021、甑島にここがあって良かった。

東京生まれ、東京育ちのお客様が云いました。「田舎のおばあちゃんちに帰ってきたみたい」って。まるで、島のおばあちゃんちのような、そんな懐かしくてゆったり、まったりできる場所ができました。「おかえりなさい」って云いたくなります。  


Posted by ヤマシタケンタ at 19:25Comments(2)その他

2011年04月30日

ありがたいこと



先日、新商品(ジャム・よもぎ・野菜チップなど)をブログにて紹介致しましたが、懲りもせず、飽きもせず、さらなる商品開発が裏では着々と(地味に)進んでおりました。商品名は「たまいしクッキー」、もちろん甑島産のクッキーです。シンプルなものと、ココア、マーブルなど3種類があり、甑島の海岸線や集落の石垣などによく見られる玉石をモチーフとした形のクッキーとなりました。



このクッキーを販売してから、一旦新商品の開発スピードを緩やかにしたいな、と最近は考えています。僕は、思ったら即実行しないと落ち着かない性格なので(祖父ゆずり)、ひとつひとつの商品を再度精査し直して、売り方、買ってもらいかた、味、見た目などなどデザインのクオリティをさらに高めていかなきゃって思います。ついでに、僕は、島の素材だけでなく、この島に想いを持って生きる人々にも輝いてもらいたいと思っています。いや、本当はこっちがメインかな?

自分の大切な友人たちが、ジブンの居場所をみつけ、そこで輝いていけることや、誇りをもって生きていくことって素敵なことだと思います。だから、僕はそんな商品をつくり、そんな会社となり、そんな自分であり、そんなひとたちを支援できるひとになりたいと思っています。おいおい、優等生発言かよ!!!って思われるかもしれませんが(笑)、僕自身が友人たちに支えられてきたので、その恩返しを次の誰かにしたいというだけの気持ちです。けんたのとこに行ったら、夢が叶うかもしれない!踏み出すことが出来るかもしれない!一緒にシゴトしたい!って思ってもらえるようになるまで、まずは、自分自身が日々精進です。

と、いうわけで?

必然的に、島でパティシエを続けたいと云っていた先輩とのコラボ商品を直訴したところ、了解していただきました。しかし、想いとはウラハラに大量の失敗したクッキー、試作したクッキーが申し訳なさそうに僕のもとへ届いたのです。僕はそのクッキーの山を見て、なんだよ!しっかりしてよ!本気でやれよ!って・・・正直思いました。


でも、僕は知っていましたー


彼女が夜が明けるまで連日、試作を続けていたことを。だから思えたんです。

ここにあるクッキーの山はきっと財産だ、って。それは、彼女自身にとっても、僕自身にとっても。たった一枚のクッキーかもしれないけれど、そのクッキーにはたくさんの人の苦労や苦悩、夢や想いも詰まってるって。


うまく焼け上がったクッキーたちをせっせと、ひとりで袋詰めしながら思いました。


あぁ、これは当たり前なんかじゃない、

とっても有難いことなんだってね。


こんな風にして、僕がまぎれも無く「たまいしクッキー」の一番のファンになりました。
今日から、ゴールデンウィーク期間中、上甑島里町にあるEngawa Cafe' 021にて販売致します。


頼むから売れないで!なんつって(笑)  


Posted by ヤマシタケンタ at 08:39Comments(2)食と風土

2011年04月30日

2年後のしあわせ



先日、上甑島のとある山奥で、内密に執り行われた儀式。

そうです、ここから先は禁断のしいたけ栽培のことです(笑)

島米づくりをはじめ、新鮮野菜の栽培、観光ガイド、アートプロジェクト、まちづくり、商品開発、ついには、しいたけ農家になってしまいました(笑)事前に師匠?の手ほどきをうけて、しいたけの菌を椎の木に打ち込むことができました。おかげで、山の中からコンコンこんこんと怪しい音が、朝から晩まで鳴り響いていました。決して、ワラ人形ではございませんので、甑島の皆さまご安心ください。

京都ではよく・・・



これから、しいたけの本格的な収穫までにはおよそ2年がかかるそうです。2年後にはきっと、おいしい椎茸ができるはず!・・・そうして考えてみると、僕らの経済活動と自然界のリズムやサイクルは相反するものがありますよね。常々自然と向き合っているとそのことがよく分かります。



大規模な機械や工具はないので、ほとんどが手作業です。収穫する椎茸は大変軽いんですが、椎茸づくりは、かなりの重労働で何度も心が折れます。10万人に1人と言われる、ガラスのハートを持ち合わせる僕には辛いです(笑)とはいえ、苦労して2年後の楽しみができたと思えば、

それもまた、幸せなことですね。  


Posted by ヤマシタケンタ at 07:20Comments(0)農業奮闘記

2011年04月18日

Made in Koshiki.



甑島産ジャムシリーズ「すもも」「はっさく」発売初日で完売でした。アイトゴザイモイタ。
また、やさいチップス「さつまいも」「かぼちゃ」・乾燥よもぎも発売開始しました。

新鮮な魚もある、美味しい貝もある。甑島と書かれたお菓子もある。
それなのに甑島には、お土産がない。という来島者の現実の声。

僕は、全国を旅するのが趣味というか、仕事というか、ライフワークというか、そんな感じでやってきたので、いろんな町や、いろんな人や、いろんなものたちと出会ってきた。職業病という言葉があるけれど、僕の職業病はなにかと聞かれたらこれ「旅行を素直に楽しめない」かもしれない。なんていうと残念な感じがするけれど、いや、実際は本当に残念なのかもしれないけれど・・・(笑)、感覚的にお客様の立場でサービスを受けにくくなってしまった。良くも悪くも運営側の気持ちだったり、サービスの裏側が見えてくる。それで、もっとこうしたらいいのにとか、こんなものがあったらいいのにとか、こんなことしなくていいのにとかよく思う。



自分も、一方的に島のお土産を開発しようとしていてはダメだな。
独りよがりの商品ではダメだなと思えることができるようになった。

答えはシンプル。いいものをつくる。

とは言っても、いいものをつくるだけでは意味が無い。甑島は、海だから魚介類!というのが頻繁に聞こえるんだけど、おそらく僕を含めた島民のエゴも多いにあるかもしれない。もちろん、僕は甑島のうまい魚が食べたい!ただ、少なくとも海が近くにある地域は山のようにある訳だし、最近では、新鮮な魚だって都会でも食べられるようになってきてる。お客様はなぜ、この島にきてお土産がないというのだろうか。これまで何百人ものお客様と直接会話してきたことで、今の僕にはほんの少しだけ分かるような気がします。

結論から言えば、

お客様が甑島に求めているものは、もっと別なところにあるということ。
お客様にとって、いいものをつくっていないということ。

僕は、この島の現実を真摯に受け止めて、自分たちの「ものづくりの先」には、どんな甑島の将来があるのかを見つめ直してみたいと思います。観光客はお金を落とす、単なる道具ではありません。お客様は神様ですか?この島の良さを、僕らの想いを共有してくれる特別な仲間、ぐらいに思えるぐらいが僕にはちょうどいいと思っています。自分以外のひとに、背伸びせず、ありのままの姿をほんの少し、角度で言えば1度とか2度とか、そのぐらいチョット目線を変えるだけ、努力をするだけで、のちのちは大きく違ってくると僕は信じています。

漁業の島で、農業を始めることは大きな不安だったけれど、すべては甑島を好きになるために、そのこわさはぐっとこらえて飲み込みました。甑島のお米なんて!島の人の多くはそういいます。でも、焼き魚を食べるときに白いごはんがあると小さな幸福感を感じることができるように、そういった角度の農業や観光の在り方だってあると思います。いくらいいものをつくったとしても、例えば、魚を買ってもらうために白ご飯を炊くという、その見えない努力を怠ってはいけませんよね。

いつの日か、僕たちのつくる島米や、おおくの商品たちが
甑島にあるもの、あるひと、あるストーリーを輝かせていけたらいいなって思いました。

それは、甑島の新鮮な焼き魚を引き立てるごはんのように、ある時は、漬け物のように(笑)  


Posted by ヤマシタケンタ at 16:04Comments(2)食と風土

2011年04月18日

カフェの種



早いもので4月も折り返し地点。僕は、あいかわらず甑島に生きてます。

ゴールデンゴールデンウィーク期間中は、KOSHIKI ART PROJECTの上甑島事務局があるオツイマンションが、地元チャリティー団体主催の東北地方復興支援チャリティーカフェ「Charity Cafe' 311」として限定オープン致します。僕も、そのチャリティー団体の立ち上げに関わらせていただいており、昨日とおとといの2日間は、そのカフェのプレオープンがありました。

微力ながら、ヤマシタファームの無農薬栽培のやさいやパン・ジャムなども提供させていただくことができました。

今回は、スイーツとグッズ販売のみの営業でランチは用意していなかったのですが、なんと次回のオープン時には一日10組限定で地元のひものやみそ汁、おにぎりなどがセットで提供される予定です。そのほか、季節のシフォンケーキやチーズケーキなど、甑島のパティシエがつくるスイーツなどがあります。アルコール類の販売もありますので、ちょっぴり贅沢な島の休日を過ごしてみてもいいですね。



ちなみに、鹿児島市内からの日帰りもできます。夜もBar timeとして営業があるので、一泊して島の夜を楽しむのもあり。今後、目指すは「休日に訪れる島カフェ」です。なんだか、すぐにでも実現しそうなんですが、焦らず、もうちょっとじっくり、みんなで「カフェの種」を育てていこうと思います。  


Posted by ヤマシタケンタ at 11:49Comments(0)食と風土

2011年04月15日

商品開発中



ようやく早場米こしひかりの田植えも終わりました。

あとは、鴨にはいられた田圃を手作業で植え直しをしたらひとまず完了です。先日は、島の2つ上の先輩である「俊あんちゃん」やいとこの亮が田圃を荒らしにやってきました。(嘘です、ごめんなさい。お手伝い、ありがとうございました。)

みんなで作業するのは楽しいですね。

最近は、まとまった雨が降ってくれないので、ちょくちょく田圃の水が少なくなってしまいますが、僕の田圃を気にかけてくれていた農家さんがポンプで水を流してくださったり、叔父の経営する建設会社の散水車で水を運んだり。多くの方々に、たいへん助けられております。全然、ダメですね。いつも悩みます。才能が無いんじゃないかって。しかも、色んなひとのお手伝いを頂いているので、去年よりも美味しいお米ができなければ大ブーイングは免れませんね。辛いです(笑)さて、一段落終えたので、ここで一息つきたいところなんですが、次は焼酎用のさつまいもの植え付け準備に追われています。次から次と、季節は巡ってきますから。

夢に追われるな!!!夢を追え!なんつって!(笑)ひとまず、すべての畑の耕運を終わらせました。あとは、肥料を蒔いてから再度耕して畝をつくります。ゴールデンウィークあたりには、苗の植え付け作業を予定しています。休む暇はないですね。農業ボランティアは、いつでも受け入れますので。おまけに、今日からいよいよ本格的に開発中だったものたちの商品化を進めていきます。

と、いうわけで



やさいチップス(かぼちゃ、さつまいも、いんげん)の製造に取りかかりました。また、同時進行で乾燥よもぎも製造しています。あと、パン。パン???そうです、ブレッドです。手作りのパンです。1個100円〜の予定です。そのうち甑島産の小麦粉をつくりますのでそれも楽しみにしていてください。僕の体は、ひとつしかないので(笑)

やさいチップ・パンが購入できるのは、ひとまずゴールデンウィーク限定。そのあとは、夏に向けて島内のお土産物やに並ぶかな。パンは島内のみの気ままな販売です。普段は購入できません、あしからず。ゴールデンウィーク期間中は、甑島里町にあるKOSHIKI ART PROJECT運営のEngawa Cafe' 021が、東北地方太平洋沖地震のチャリティーカフェとしてオープンする予定ですので、そこで販売させて頂きます。美味しいスイーツとパンを味わいに是非足を運んでくださいね。どうぞ、島のカフェでまったりしてください。

ではでは、これからやさいチップスの製造現場へ向かいます。
そのまんまの素材の味を活かして、ノンオイル仕上げ。地道で楽しい袋詰めも待っています。  


Posted by ヤマシタケンタ at 21:39Comments(0)食と風土

2011年04月11日

ゼロ・トレッキング



さてEngawa Cafe + しまなびガイドのあとは、上甑島の最高峰である遠目木山(トウメキ)423.3mの頂上を目指しました。

この山に登るのは小学6年生の卒業記念での登山以来。もう10年以上も前の話です。歩き始めて15分ぐらいしたころ、ふくらはぎに違和感を感じだしました。おそらく1合目あたりでしょうか(笑)毎日の田圃で鍛えられた?ふくらはぎ・・・若いというだけで無理はできませんね。そんな僕を尻目に、みんな余裕綽々と登っています。

田圃じゃ、負けねぇぞ!!!

そんな心の叫びも虚しく、山頂はなかなか近づいてこないのでした。

この遠目木山、423.3mと高さはそんなに無いので、1時間もあれば山頂を目指すことができます。最近知ったのですが、甑島は海に囲まれているため、海抜ゼロメートル地点からの登山スタートが可能となります。そういった登山の方法をゼロメートルトレッキングというらしく、コアなトレッキングファンには有名な山だそうです。実際に、九州の山100選?的な登山ガイド本にも掲載されていました。

僕はというと、
実際そんなことはどうでもよくて、一刻も早く頂上へたどり着きたいと思うのでした(笑)

歩き始めて約1時間。

ついに、



上甑島のエベレスト、下甑島側から云うチョモランマの登頂成功です。

久しぶりに見たこの景色、思わず感動してしまいました。山頂で食べるおにぎりがうまいのなんの!さくらの花も咲いていて、山の頂上で花見をするという贅沢なひとときでした。ひょんなカタチで青年団会議も進み、あらたな企画や地域活動への案も活発にでてきて副団長としては嬉しい限り。

ただ、ひとつ云えることは

向こう10年は登ることはないだろう(笑)なんつって。  


Posted by ヤマシタケンタ at 09:55Comments(2)景観まちづくり

2011年04月11日

Engawa Cafe +しまなびガイド



今日は、里村連合青年団が「甑島連合青年団」に名称変更してから初めての青年団活動でした。

記念すべき第一回目は、副団長でもある僕が、団員たちに向けて島内散歩のガイドをするというものでした。僕は、断固反対したんですが、先日の会議で、ひとりの抵抗虚しく満場一致で決まってしまいました(笑)。けれど、正直言うと団員たちが「しまなびガイド」に興味を抱いてくれていたことには喜びを感じずにはいられませんでした。ただ、島在住のひとを対象にガイドするというのは、なんともいやな感じです(笑)



すれ違う島民たちも、こいつらは何してるんだろうと、びっくりした顔で通りすぎていきます。

観光です!遠足です!と団員がいうのを聞いて、皆さんハテナ顔をされていました(笑)案内は30分程度で終わるはずが、気がつけば小1時間。最後は、Engawa Cafe' 021での雨戸を閉めての台風体験&ティータイムでのんびり島時間を満喫。甑島産のすももジャムやはっさくジャムなどを用意。手作りパンもサービスして、大好評で終えることができた島内散歩でした。

島にいながら、日々の生活や地域の行事などに追われて、自分たちの住む地域のことを改めて知る機会がない団員たち。こうして、青年団活動の中で、楽しみながら、語り合いながら、体を動かして自分たちの地域を学んでいくことはいいもんですね。

勉強嫌いな僕にはもってこいです(笑)

  


Posted by ヤマシタケンタ at 02:52Comments(2)景観まちづくり

2011年04月09日

島立ちの日に



毎年、この季節になるとこの記事を書いている気がするけれど、今年も懲りずに書こうと思う。ただ、この「15の島立ち」を書き続けるのは、もはや過去の思い出に浸るとかそういった一時的な感情ではなくなったような気がする。僕自身が島に帰り、島に住み始めたことで、この旅立ちの季節が、島の将来を想う大切な節目なんだと思えるようになったから書き続けるんだと思う。

なぜ、一度離れた島へと帰ってきたのか。

いま、甑島を離れゆくこどもたちを見送りながら、僕は感慨深い気持ちになる。



日本一の騎手になりたいという夢を抱えた15歳の少年は、東京競馬場の芝ではなく、こうして故郷の雑草の上に生きている。「アメリカの嘘くさいドキュメンタリー映画監督みたいなひげ」もしくは、「どっかのガソリンスタンドの兄ちゃんみたい」といわれながら、日々けなげに生きている(笑)

当時の夢は、東京に置いてきた。

15歳で夢の全てを失った。時折、当時の苦しさを思い出す。人生のどん底をみた気がした。生きた心地もしなかった。挫折とか、憔悴とか、不安とか、初めて知ることになった。掴みかけた騎手の夢を諦めた日、僕は母が送ってきた一枚のチョコレートにかじりつきながら、新宿駅で泣き崩れた。

最近になって、ようやくあれが人生の転機だったんだと思えるようになった。あの時、両親に向かって伝えたことを今でも覚えてる。

「これは後退ではなく、前進。」

辞めること、諦めることが前進かどうかなんて15歳の僕にはわからなかった。でも、そうして自分をごまかすことで前に進むことができる気がしたから、やっぱり正しかったんだと思う。その日から今日までのあいだ、一日もその言葉を忘れること無く、それを現実にするためにずっと生きてきた。その言葉を背負って生きてきた。



あの頃の自分は、もういない。

アメリカの嘘くさいドキュメンタリー映画監督でも、ガソリンスタンドの兄ちゃんでも、うかない百姓でも構わない(笑)生きる上で大切なことは、家族や親戚、近しい仲間や友人たちが教えてくれた。最後に決断するのは、自分。だけれど、いつだって誰かに愛されて、誰かの支えの中で生きてきたことだけは、どんなときも忘れないようにいたい。

島立ちの日に思うー

  


Posted by ヤマシタケンタ at 12:23Comments(8)島に生きる

2011年04月09日

甑島産の野菜チップス



先月は、北海道や鹿児島市内からのお客様を90名ほど甑島しまなび「島内散歩」にご案内することができました。そのときの日記がコチラにアップされています。また、甑島観光案内所のブログでもご紹介いただいています。

http://koshikikanko.chesuto.jp/e556479.html

観光客の皆さんが、口を揃えて云うことは「地元のお土産がない」「宿泊・飲食施設の備品やサービスが悪い」このふたつ。数年前からほとんど変わっていないような気がします。一体なんのためのアンケートか。どこに活かされているのか。腹が立つこと、がっかりすることは山ほどありますが、ひとまず僕はこらえます(笑)

僕は、今の自分にできることをまず、自分のスタンスで動いていこうと思います。

そうです、そこできました!無農薬で栽培したヤマシタファームの野菜たち。どうにかこうにか、made in KOSHIKI のおみやげをつくるべく野菜チップスを試作しようじゃありませんか。と、いうわけで、2泊3日の行程で本土へ渡り、食品衛生責任者の免許を取得してきていただきました!スタッフに大感謝です!!



今回は試作ということで、カボチャとにんじんをスーパーで購入しました。しかし、農産物や加工品で「100% made in KOSHIKI」を目指している僕らとしては、次回、ヤマシタファームの野菜を使用しての商品化に取り組みたいと思っています。只今、カボチャ・にんじん、とある畑にてすくすくと育っております。お楽しみに。



あるものを活かすこと、あるものをもっと輝かせていくこと。あるものを、大切にすること。失ったものに想いを馳せること。そこから、ヒントをみつけること。新たな価値を見いだすこと。それは、野菜だけではなく、ひとにも置き換えられることですよね。つくづく、仲間たちから大事にされる、身近なひとびとに愛され続けることのできる自分で在りたいと思いました。

そして、その身近にいる家族や友人、仲間たちの人生をほんの少しでも輝かせていくことができたなら、僕がこれまでの道のりで、悩んだり、苦しんだり、泣いたり、笑ったり、怒ったりしてきた意味が少なからずあるのだと信じています。反対に、誰かを悩ませたり、苦しませたり、泣かせたり、笑わすことが出来なかったり、怒らせてしまったりしてきたことも忘れないようにしたいな。  


Posted by ヤマシタケンタ at 10:34Comments(0)食と風土

2011年04月09日

小さなお客様



ようやくコシヒカリの田植えが終わりました。

昨年より、地道に耕作放棄地を解消してきたおかげで、水稲の作付面積を2反(約20a)ほど増やすことができたのですが、ひとつひとつの農地管理に苦労しております。今後もすこしずつ増やしていきたいと考えているのですが、なにか効率よく農作業を進める手だてはないかと模索中です。

おまけに、今年は雨が断然少ない!

早場米で育てる予定だった水田2カ所には、水が一滴も入らない為に、急遽、早場米での栽培を取りやめ、品種を変えて通常期の栽培にしようと考えています。残念ながら苗のロスがでてしまいました。ほかの方々も皆、同じように水の苦労をしているようですが、きちんと出来てるひとは、出来ている。おそらく、僕にもある程度の予測や準備はできたはず。毎日が、勉強です。



さて、先日は素敵なお客様が、水田に訪れました。

上甑島里町の保育園児と幼稚園児とそのお母さん、生まれたばかりの小さな赤ちゃんをベビーカーに乗せて、4人でわざわざ田植え体験にきて下さいました。もともと、その子たちのお父さんと宴会の席で(笑)約束していたのがきっかけなんですが、自分はまだ修行中の身だと考えていたので、なかなか話を進めることができませんでした。

ある時、「けんたあんちゃん、ぼく田植えしたい。」ってこどもから直接言われたことがありました。こどもたちが僕の背中を押してくれた折角の機会を無駄にしたくないなと思い、明日くる?って即答していました。正直、そのひとことに勇気づけられました。あぁ、ぼくは進まなきゃなって。今回、来てくれたこどもたちやそのお父さん、お母さんにほんと感謝してます。



彼らは、来年もまた来てくれるだろうか。いまから、もう来年の田植えが楽しみになりました(笑)  


Posted by ヤマシタケンタ at 01:28Comments(2)農業奮闘記

2011年03月28日

小さな恩返し


野菜の収穫があると、
僕は母の実家にある作業場で袋詰めをする。
時折少し多めに収穫したり、不揃いの野菜があったときなどは、
いつも叔母へプレゼントしてきた。

それが、いまの僕にできる小さな恩返しのつもりだった。

先日も、いつもと同じように深ネギを多めに収穫した。
そして、いつもと同じように叔母のもとへ届けると
ありがとうと言って台所の奥へと向かい、なにかを取り出してきた。

テーブルの上に出されたものは、小さな貯金箱だった。
裏には黒いマジックで「野菜代」と書かれている。

僕は、ハッとした。

この1年半、
小さな恩返しのつもりで野菜を育て、叔母のもとへ届けてきたというのに
1年半ものあいだ、僕には内緒で僕のために「野菜貯金」をしていたのだった。

僕が野菜を届けるたびに、コツコツと貯金してきたのだ。
まったく、恩返しのつもりが僕の知らないところで、それさえも支えられていたのだ。

本当に頭が上がらない。

こんなとき、僕は祖母の口癖を思い出すー

「人様から受けた恩だけは、絶対に忘れたらダメ。」  


Posted by ヤマシタケンタ at 22:30Comments(0)島に生きる

2011年03月23日

さつまいも畑の彼


地元のテレビに出演した翌日、自宅の電話が鳴りました。
その用件は「耕運機いらんな?」でした(笑)あまりにも唐突だったので、思わず笑いました。特に今すぐ必要としていたわけではなかったけれど、点在する小さな畑の移動のコストや時間のロスに悩んでいたこともあったので、見に行きます!と即答しました。手動エンジンを回すとすぐに黒煙ボワッ−んと吹き出して、いかにも重油です!みたいな感じの音が響いてドキドキ(笑)数日後、引き取りに行き、早速ヤマシタファームのさつまいも畑にて活躍中の彼です!ちなみに名前は、本体が茶色いペンキで塗られているので「茶太郎」になりました。

茶太郎、キバレヨー!!!  


Posted by ヤマシタケンタ at 18:17Comments(0)農業奮闘記

2011年03月23日

しまなび案内人


今月に入り15日、17日、21日と上甑島の観光ガイドをしています。
薩摩川内市の主催するきゃんぱく(きやんせ博覧会 No.79)にも僕たちのガイドするまち歩きプログラムもありますが、それとは別に旅行代理店からの依頼を受けてお客様をご案内してきました。北海道からのご一行様、今月はこれまでに56名のご案内をさせていただきました。「島の若者と行く島内散歩」初めての試みでしたが、お客様の笑顔を見てひと安心。「忘れられない旅になりました。」「ケンタくん、一緒に夕飯も食べましょうよ!」「また、友達と来ますね。」「普段の旅行とは違う時間を過ごせました。」そんな声のひとつひとつが、とても嬉しかったなぁ。

プログラムの内容はというと、従来の観光スポット巡りや景勝地の案内とは違うものへ挑戦したいと思っていました。例えば、お墓の話。先祖を敬う信仰のこと。焼酎のこと。島立ちのこと。玉石垣のこと。家のこと。暮らしのこと。半農半漁のこと。失った風景のこと。植物のこと。台風のこと。海のこと。それは、僕自身がこの島の魅力がもっともっと身近なところにあるということを信じているから。島びとの人き方そのものが財産であると信じているからなんだと思う。まちあるきの最後は、Engawa Cafe' 021で台風の日の甑島体験でした。雨戸を閉めて、真っ暗な家の中でキャンドルの明かりだけで身を寄せ合いながら話をするのです。

新しいものではなく、そこにある価値。

その価値にどれだけ気付き、どれだけの光を当てられるかだと、僕は思う。

このプログラムで目指しているのは、観光ガイドではないガイド。言葉にすれば、生きることを島で学ぶ「しまなび」案内人かな。本当のことを云えば、ガイドしている自分が一番、甑島から、お客様から、生きることの意味を教えられているんだけどね(笑)  


Posted by ヤマシタケンタ at 17:10Comments(1)景観まちづくり

2011年03月23日

ヤマシタファーム


久しぶりの更新です。
先日から地元商店に野菜を出荷する際、ヤマシタファームのシールを試験的に貼っています。このシールが貼ってあるものは、僕たちが減農薬・無農薬などの低化学肥料での栽培や有機栽培によって育てた証です。ヤマシタファームの野菜畑は、島内のあちこちに点在しています。(移動が大変)また、米ぬか・米殻・牛堆肥などを用いての地道な土づくりに取り組み、露地栽培を基本に季節の野菜だけを小さく育てています。ちなみにシールは、2分ぐらいでつくったのでデザインをきちんと考えなおす必要がありますね(笑)  


Posted by ヤマシタケンタ at 15:57Comments(0)農業奮闘記

2011年03月14日

3.11

平成23年3月12日ー


22時頃シャワーを浴び、僕は遅めの夕食をとった。

しばらくのあいだ、テレビをつけて、ベットに横たわり、明日のことを考えた。



いつもと変わらない日常が、こんなにも悲しくて

こんなにも幸せなことだと感じたことがこれまでにあっただろうか。



東北地方での大地震を受けて

甑島の地から

今、自分にできることは何か。

少なくとも、この大地震の傍観者でいてはいけないと思っている。

私たちもこの災害の当事者の一員であり、

もしかすると、さまざまなカタチで被災者にもなり得るのだ。

目を背けることなく、この困難をどのように受け入れ

いつ、誰と、どのように乗り越えていくのか。

私たち一人ひとりが今、試されているのです。


被災地の方々を想うー


地震について記事を書くことさえ躊躇したけれど

残された私たちには相変わらず、生きていく責任がある。


日本は後退などしていない。
また、壊滅などしていない。

今一度生まれ変わることのできる

大きなチャンスを得た。

そう信じて、

前を向いていこうと思うんです。


テレビをつけると、

あまりにも無力で苦しくて逃げ出したいほどの

辛い現実があります。

その悲しみは、ここ甑島にも伝わっています。

しかし、

同時に、インターネットを通じて

日本各地や世界各地からの

情報発信や支援活動が行われていることも知りました。


世界はひとつ。万物は一体。

必ずどこかで繋がっています。おそらくそうなんだと思います。

僕は、東北の彼らと同じように

深い悲しみを背負って生きていくことは到底できませんが、

その心の痛みを想像することはできます。また、感じることもできます。

そして、それ以外のなんらかのアクションをとることも

とらないこともできるのです。



坂本龍馬の云った「せんたく」は、

あなたの未来の選択であるのかもしれませんね。


日本を今一度選択致し申候。


いまの自分には何ができるのか。  


Posted by ヤマシタケンタ at 00:23Comments(0)その他