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Posted by チェスト at

2013年05月09日

はじまりの前に



2013年5月11日(土)am6:00
いよいよ山下商店(みやげと豆腐)の甑島本店が(薩摩川内市里町里53番地に)オープン致します。
その新たなはじまりを前に、なぜ今豆腐屋なのかを改めて立ち返っておきたいと思う。



こどものころ、我が家の並びの二件隣が左右どちらも豆腐屋だった。
午前6:00 眠たい目をこすりながら、僕は豆腐を買いにいく。
蒸気があがる豆腐小屋を、ちょっぴり高いガラス窓を背伸びしてのぞいたおばさんの
丸みを帯びたふくよかな背中。間近で感じる、働く大人の大きな背中。

家に帰ると、出来たばかりの豆腐で母親が味噌汁をつくる、台所の湯気と包丁の音。

どちらの豆腐屋も気がつけば店を閉めていた。

18歳の春、大好きだった小さな港がある道路工事で姿を変えるー

どこからともなく人々が集まってくる小さな港のアコウの木の下には、
たしかな島の日常があった。破れた網を繕う漁師。

夏になると、決まってどこからか鹿児島実業、甲子園出場のラジオが流れている。
島の猫たちは毛繕いをし、島のこどもたちが祖父母に手をひかれ夕涼み。

なんでもない特別な日常を失うことと引き換えに、
ひとつの工事で私たちが手にしたものは、
厳しい島の暮らしを生き抜いて行くためのわずかなお金でした。

地域の経済が衰退していけばいくほど、
脈略のない方法によって集落(ムラ)の風景がつくり替えられていく。
次第に集落の中から、モヤウ(集う)場が消えて行く有り様を
今の時代に生まれた僕らは、静かにみてきたように思う。

井戸の水汲みやもの洗い川、アコウの木の下、たまいしの海岸線、シノーゴヤ。
島の日常には、何かを言い訳にして誰かに会いに行く、そんな場面があった。

どんなに大切なものや場も、
社会の仕組みのなかに位置づけられていなければ、
それらを継続して守っていくことは難しい。

ひとともの(環境)とお金。

これからの島を考える自分にとっての使命は、
失われてきた集落の風景を再構築していくことではないだろうか。
決して昔のような島の姿に戻すだけではなく、
移り変わって行く時代のなかにあてはめて甑島の今を取り戻して行くこと。

風景の先にあるものは人々の暮らし。生業。知恵。生き様。
その他にもいろんな風景がみえてくる。

人々の生きる風景に想いを馳せながら、
僕はひとりの大人として、決して大きくはないけれど、ひとりの島びとの背中を
この場所からこどもたちに伝えていきたい。

いつの日か、この場所が、とうふをいいわけにして誰かに会いに行くそんな日常の場所に
なれたらいいなと考えている。特別ではないふつうの風景になりたいと思う。

とうふや開業を前に今、想うこと。  


Posted by ヤマシタケンタ at 10:19Comments(4)島に生きる

2013年01月22日

ドキュメント九州



来週のテレビ西日本「ドキュメント九州」という特集番組で島米の取り組みなどが放送されることになりました。九州全8県にて放送がありますが、それぞれに曜日や時間が異なりますので詳細はホームページをご確認の上ご覧下さい。

http://www.tnc.co.jp/dq/

鹿児島「KTS鹿児島テレビ」27日(日)24:55-25:55
福岡「テレビ西日本」27日(日)6:30-7:00
長崎「テレビ長崎」26日(日)26:05-26:35

その他、熊本、佐賀、大分、宮崎、沖縄でも放送あります。

これまで半年間以上に渡って撮影クルーの皆さんに密着取材していただきました。一体どのような内容になっているのか私自身もまだ知りませんが、これを機に少しでも多くの人びとに甑島と私たちの取り組みのことを知っていただければと思います。  


Posted by ヤマシタケンタ at 13:12Comments(2)農業奮闘記

2012年10月12日

島の食卓展2012



「島の食卓展」 #01 甑島

2012年10月15日(月)〜21日(日)/入場無料
10:00-20:00 ※終了時刻はイベントにより異なります。
会場:天文館マルヤガーデンズにて開催致します。


期間限定の公式ホームページはこちらです。
http://island-ecs.jp/  


Posted by ヤマシタケンタ at 00:53Comments(1)島に生きる

2012年09月27日

島の食卓展 2012

この3ヶ月間、上甑島・中甑島・下甑島・本土を行き来していました。
9月に限っていえば3分の2は本土にいる始末。
そのあいだ田んぼも畑も、草がはえて迷惑ばかりかけております。

あーー!体があとふたつ欲しい!!!

いよいよ10月15日から21日まで天文館マルヤガーデンズで
甑島を舞台にした展覧会が行われます。
期間限定でホームページができましたのでそちらもご覧下さい。
中身はこれから随時更新していきます。

島の食卓展 2012

どうぞご覧下さい。Youtubeの予告編も必見です!  


Posted by ヤマシタケンタ at 09:30Comments(0)島に生きる

2012年09月15日

山形屋 甑島フェア

来週、9月19日(火)から25日(月)までの7日間、鹿児島天文館・山形屋B1F催事場にて甑島フェアが開催されることになりました。上甑島から下甑島まで選りすぐりの逸品がフロアいっぱいに各種展開されます。山下商店からも「島米こしひかり」の新米や「おにぎり」「野菜みそ」「お米のジェラート」などを販売致します!私も期間中の一部をのぞいてほとんど売り場に立っていますので、この機会にどうぞ甑島フェアへお越し下さーい!!!  


Posted by ヤマシタケンタ at 06:44Comments(0)その他

2012年09月08日

鹿児島のよかもん市



本日より2日間、天文館マルヤガーデンズ4階にて鹿児島のよかもん市「UNITEMENT MARKET」が開催されて、県内各地より12店舗が出店しています。山下商店もお声掛けいただき、甑島から初出店中です。

明日の20:00まで開催しておりますので、この機会に是非とも遊びに来て下さい。



  


Posted by ヤマシタケンタ at 14:38Comments(0)

2012年08月09日

島米 Shimagome








島米 Shimagome

こしひかり 5kg + 甑島のおいしいものセット 3,500円(税込み・送料別)でご予約受付中です。甑島の農業からますます地域を盛り上げて行けるように頑張りますので、皆さんどうぞご支援ください。ただいま、ソトコト9月号にも掲載中の商品です。  


Posted by ヤマシタケンタ at 17:39Comments(1)農業奮闘記

2012年08月06日

ひとつひとつ



ソトコト 9月号「ソーシャルな、お買い物。」P.23に「島米」が大きく掲載されています。リトケイ(離島経済新聞社)の鯨本あつこさんより、おすすめいただきました。そして、旅行読売の9月号「守る!」P.46には甑島でのisland companyの取り組みが掲載されています。こちらはstudio-Lの山崎亮さんより。また、先月は鹿児島国際大学のジェフリー・S・アイリッシュさんの講義に招かれるというトリプルの出来事。そしてTen-Labの永山さんとは一緒にお仕事する機会をいただいています。ジェフさん、鯨本さん、山崎さん、永山さんの四人は2010年の夏に開催された「甑列島会議」でいずれもお越しいただいたゲストやファシリテーターです。

こうして、まるで見計らったように同じ時期に四人からのご紹介等で、甑島のことを広く知ってもらえる機会をいただけたという驚きの反面、とても不思議な気持ちです。島の身近なひとたちはもちろん、島の外からも応援してもらえていることを改めて感じ、これまでの活動を誇りに思うことができました。まだまだ自分の取り組みは小さいですが、決してあきらめず、前を向いて、ひとつでも心にのこる、後世にのこる、時には残さないシゴトをしていきたいと思いました。すべての出会いに感謝しながら、ひとつ、ひとつの小さな積み重ねを大切にしていきたいものです。  


Posted by ヤマシタケンタ at 07:33Comments(1)その他

2012年07月27日

チャンネル8

突然ですが、

明日7/28(土)の11:30-11:45
KTS鹿児島テレビ「チャンネル8」という番組で
15分間の特集が放映されるそうです。

いまさっき、突然知らされました(笑)

どんな内容に編集されているのかは
全くわかりませんが・・・
お時間のある方はどうぞご覧下さい!

おそらく農業とか・・・?
自分もわからないので一番こわいです。  


Posted by ヤマシタケンタ at 11:59Comments(0)農業奮闘記

2012年07月25日

しまなびガイド



island company では、上甑島の旧所名所を全く回らないという隠れたスポットをご案内する「しまなび」ガイドを実施しています。この夏、甑島を観光されるご予定のある方はどうぞご利用ください。梅雨もあけて一気に日差しも強くなりましたので帽子などのご用意もお忘れなく!あとカメラをお持ちの方はご持参ください!お気に入りの風景をじゃんじゃん撮ってくださいね〜

<ご予約受付中>ーしまなびガイドー催行決定日

7/29(日)14:00発 残り9名様 ※この日の夜は上甑納涼夏祭りがあります。
8/4(土)18:30発 稲刈りの合間を塗って夕涼みコース
8/11(土)10:30発 本当にわずかだと思う(未確定)※この日の夜はじょうやま音楽祭があります。
8/24(金)13:00発 まだまだOKです ※この期間はKOSHIKI ART EXHIBITION 2012 があります。

所要時間は、およそ90分。お一人様1,500円となります。(4名様以上でのお申し込みは安くなりますのでご相談ください)集合場所はいずれも、上甑島観光案内所前(里港より徒歩3分)となります。申込先は、FB「山下商店」へメッセージもしくは、info@island-ecs.jp までご連絡ください。また、その他の日程でご希望がありましたらお気軽にお問い合わせ下さーい!  


Posted by ヤマシタケンタ at 16:39Comments(0)景観まちづくり

2012年07月25日

あこうの木ジェラート



僕らがまだ幼かった頃、
シワだらけの祖母の手に引かれ
小さな港で夕焼けをみた。
どこどこの船が大漁だったとか、
今日は満月だから
きびなごがとれないとか。
あこうの木の下では
漁師たちが網を繕い
島の猫たちが駆け回る。
他愛もないような
そんな、島の日常。

あこうの木ジェラート新発売!
第一弾は「島米」ジェラート

現在、里港売店にて販売中です。
売店はam9:00頃とpm16:00頃しかあいていないので要注意です。
甑島に遊びにいらした方はどうぞお買い求め下さーい!  


Posted by ヤマシタケンタ at 10:01Comments(0)食と風土

2012年07月20日

あこうの木の想い



初公開のパッケージです。

7月23日(月)10:00-20:00 鹿児島天文館・マルヤガーデンズB1Fにて山下商店の新商品「無添加 あこうの木ジェラート」第一弾が発売されます。甑島内でのご購入は「上甑島・里港売店」にてお買い求めください。また、島内外の取り扱い店も同時募集しています。

ジェラートの中身は、あこうの実ではなく・・・甑島の・・・むふふ(笑)

ただいま、第二弾の商品開発も進行中です。あこうの木ジェラートはシリーズ化を予定しております。第一弾の食材については、23日の発売を楽しみにしていて下さいね。ちなみに、もしかすると里港売店には21日(土)に陳列されるかもしれませんので、それも要チェックです。売店は、フェリーの到着する9:00頃と16:00頃だけあいています!ので、その場で食べてしまって下さい!

どうしてもお持ち帰りしたい、ギフトにしたい!そんな方は info@island-ecs.jp までお問い合わせください。甑島より全国発送致します。あぁー記事を書きながら、なんだか発売が楽しみになってきました!無添加で安心安全はあたりまえだの・・・とってもおいしいです(笑)ご期待ください!  


Posted by ヤマシタケンタ at 13:34Comments(0)島に生きる

2012年06月23日

今いるところ

今、まさに鹿児島県消防学校の宿舎内からブログを書いています。
地域の消防団の機関科訓練が本土であり・・・1泊2日、島を離れての寮生活。おかげで島米の田植えができませんでしたが、懐かしい学校の(寮生活)みたいなものを味わっています。食堂、体育館、寮監室、共同部屋、大浴場、トレーニングルーム、教室、グラウンド、教官、そして県内各地から集まった消防団員たち。

競馬の騎手を目指していた15歳の頃の自分と、
この学校の風景がオーバーラップして行くような感じがして、突然胸が苦しくなった。
何気ない食堂での昼食。

減量に苦しんでいた時の記憶が一瞬にして蘇った。
ずっと自分の中だけにとどめていた感覚がじわりじわりと頭の中を巡っていく。

何気なくあたりを見渡したのだけれど、あの当時、僕を苦しませた検量計はどこにもなかった。
食事の量を調整するためのホワイトボードも、僕に助言をしてくれたあの栄養士も、あの教官もいなかった。

ここにはあるはずなんてないのに、なんで僕は探したんだろう。

これまでの27年間、ずっーと走り続けてきて、いや、精確にいうと、走り続けさせてもらってきたんだけど、今の自分は、周囲のひとたちから見るともしかすると順風満帆な生活をおくっていると思われているのだろうなと思う。テレビにでたり、新聞に載ったり、雑誌に載ったり、ラジオに出演したり、広報誌にとりあげてもらったり・・・

でも、自分の辿り着くところは、そこじゃない。

今、ここにいる意味をもういちど考えてみたい。
自分がここにいる意味。この島に帰って来た意味。

今いるところを大事にしながら、前に進んでいたいと、思う。
この先、どんな結果が待ち受けていたとしても、15歳のあのときに感じていた気持ちは忘れたくない。

だからさがしたのかもしれない。今の自分に足りないもの。
あるはずのないものを、この場所でみようとしたのは、

今の自分に足りないものがきっとあるような気がしたからなんだと思う。  


Posted by ヤマシタケンタ at 22:05Comments(1)島に生きる

2012年06月14日

おんなじところ

2泊3日の川内・鹿児島出張から甑島に戻ってきました。

いくつかの商談や農業に関する企画事業の最終審査会などなど、逢う人逢う人からビシバシと痛いぐらいのイイ刺激を受けたこともあり、大変色濃い時間と出会いをいただきました。審査会は農業に関する提案ということでJAや百貨店、農業委員会、農政課などなど関係各所の方々が審査員に名を連ねておりました。

つたないプレゼンテーションで大変申し訳なかったのですが、自分のプロジェクトについて自分自身が過大評価することもなく過小評価することもなく真摯にお話しできたのではないかと思います。申請予算のなかにカメラマンだとか編集だとか、技術料だとか、デザインだとか、なんだとか・・・一見、農産物の生産(農業)とはかけ離れたような予算を計上していることからいくつかの質問がありました。

そんな中で、ある審査員の方から「この取り組みは農業経営としての見方ではない別の視点が必要なのではないだろうか?」というようなフォローをしていただきました。私のような実績の無い若造の至らない考えを理解して後押しして下さる方がいらっしゃるということに、ヒアリング中に嬉しくて泣きそうでしたが・・・(笑)そんなとき、自分はいつも思うことがあります。

きっかけは高校1年生のときに言われたラグビー部の監督の言葉でした。

「けんた、1年生だろうが、3年生だろうが、ユニフォームを着てグラウンドにでたら、そんなものは関係ない。」

その言葉を今の自分に置き換えると、農業の初心者だろうが玄人だろうが農産物を生産するってことは、いくら視点の違った農業であろうと、既存の農業経営や農業技術、物流といったような土俵でも勝負しなきゃならんのだ、ということになるかもしれません。

その、今用意されている土俵でもきちんと一定の評価をしていただくことも大切なんだと思います。

だからこそ、僕は新しい視点で応援してくれているひとたちのためにも、自分のためにも、また、それいいね!っていってもらえないひとたちのためにも離島だとか環境だとかの物理的ないいわけをしなくても成り立つ、あくまでもシンプルに農業経営としてのモデルになっていかなければならないのだということを改めてひしひしと感じました。

いかに甑島で農業をしていくことが厳しいかというような言い訳とは一日でもはやくさよならしたいものです。  


Posted by ヤマシタケンタ at 14:08Comments(0)農業奮闘記

2012年06月11日

おいしい通販



ようやく甑島のおいしい通販サイトをオープンすることができました。
これから徐々に本領発揮?本格始動します。

甑島のおいしい!を全国へお届けします・・・そして、この通販サイトを通じてお客様と一緒に甑島のおいしい風景を育てていきたいと思っています。また、こちらのオープンに合わせてすでにいくつかのプロジェクトが動き始めています。しまの食卓プロジェクト・・・ワクワクしますね。

どんどん進化?していく甑島のおいしい通販にご注目ください。

まだまだ内容は充実していきます。

そして、ときどきご注文ください(笑)泣いて喜びます。

http://island-ecs.jp/  


Posted by ヤマシタケンタ at 01:16Comments(2)食と風土

2012年06月05日

好きになること

3ヶ月ぶりの更新・・・(ブログのトップ画像を変えました。)この写真は、ぼくの好きな写真の1枚で、昭和40年頃の上甑島里町で撮られたものです。シノーゴヤとよばれる小屋の葺き替え作業を地域の人びとがモヤー(集まって)でしているところです。

東京・表参道でのイベントからおよそ3ヶ月が経ち、そのあいだに島米こしひかりの田植えや春じゃがの収穫、新商品の開発、しまなびガイド、そして新会社(東シナ海の小さな島ブランド株式会社)設立。などなど、様々なことがありました。おそらくぼくが早死にすると言われる所以です(笑)いま、ひとつひとつのプロジェクトや商品、農業技術の精度を高めている途中にありますが、今年は自分にとって大切な一年になるような気をふつふつと感じています。

あと半年もすれば、甑島にUターンして3年が経ちます。
ひとつの目標としていた3年以内に豆腐屋を開業するという目標は、もうすぐのところまできました。今、あらためて多くのひとびとに感謝しています。家に帰るのはいつも夜中。夜中に帰ると分かっているのに、決まって夜の7時になると父親からの電話が鳴る。「けんた、めし!」たった一言しかないこの何気ない会話が、家族という存在の有難さ感じさせてくれています。「ごめん、先に食べてて・・・」といういつもの返し言葉。本当は、ごめんではなく、ありがとうって思っています。

農業は、好きで始めたこと ―

おそらく多くのひとがそう思っているのかもしれないですが、僕は決してそうではありませんでした。もちろん農業学校などへは一度も通ったこともありませんし、実家が専業農家というようなこともありません。農業のイロハとなる部分さえも全くと言っていいほどわからずに僕の農業は始まったのでした。だからわからないことがわからない状態で、なにがうまくいっているのか、何がうまくいっていないのかを理解するまでに時間がかかり、ようやくその輪郭が見えはじめてきました。

草を取るのも一苦労、種を蒔くのも一苦労、稲を収穫するにも一苦労。一つのことだけを知っていてもだめで、多くのことを知らなければこの島で農業を生業として続けていくのは難しいということを知りました。土地も限られている、資材もない、堆肥も無い、市場もない、農家もいない(畜産以外)、輸送コストもかかる。ただ、自分で食べるだけの自家消費なら十分ですが、生業とするには不十分。その不十分すぎるほどの地域農業だったからこそ、自分の生涯の限られた時間を使ってやるべき何かがあるんじゃないかと思えるようになりました。

好きこそ物の上手なれ。

好きで始めたことではなかったからこそ、好きになる為の努力が自分には必要でした。その努力を怠ってしまったり、なにかのせいにしたり、いいわけをしたりすることは、今の自分を支えてくれている多くのひとびとや自分の過去をうやむやにしてしまうことだと思えたのです。一度きりの人生を大切に生きていきたいと言っている自分が、まず、自分自身を大切にしていない。それでは良い商品やいいプロジェクトは生まれないし、いい人びととも出会えない。すきになること。それが、上手になるための第一歩。  


Posted by ヤマシタケンタ at 12:45Comments(2)農業奮闘記

2012年03月14日

表参道・島ごはん





  


Posted by ヤマシタケンタ at 21:03Comments(0)食と風土

2012年03月09日

島ごはん

本日より3日間、東京(表参道)で島ごはんイベントを開催しています。

甑島より馬場水産と山下商店が
きびなごやつけあげ、こっぱもち、椿油などなど
島のおいしいものやかわいいものを持ってきました。
ランチ等もやっています。僕もいます(笑)

ご当地キッチン+SAKE えまるしぇomotesando
◎住所 港区南青山3-18-19フェスタ表参道5階
◎時間 11:00〜18:00
◎東京メトロ表参道駅より徒歩1分  


Posted by ヤマシタケンタ at 12:56Comments(0)食と風土

2012年03月02日

立志式



およそ1ヶ月ものあいだ放置していたブログをようやく更新できました。
なんとも忙しく?それとも、慌ただしく?有意義な毎日を過ごしています。

さて、先月の初めは福岡県・九州経済産業省にて開催された九州の離島〜魅力再発見〜で薩摩川内市のスピーカーとして山下商店のささやかな想いをお話しさせていただきました。その翌日は、高速船で下甑島の手打に渡り海陽中学校の立志式にお招きいただきました。その立志式というのは、今でいうところの成人式のことで、日本では奈良時代12〜14歳になるとひとりの成人として認められて様々な儀式が行われていたそうです。その男子の通過儀礼を元服(げんぷく)と呼ぶのですが、甑島では15歳の島立ちを前に志を立てる機会をつくろうということで「元服」改め「立志式」が行われています。

僕は、その立志式の記念講演の講師として・・・50分・・・送られて来た書類で先生とよばれて、はじめてコトの重大さに気がつきました!下甑だけに、コトーの重大さにです(笑)

11年前、中学生だった僕は里中学校の代表として海陽中学校の体育館で夢を話したことがありました。その夢とは日本一のJRAの騎手になることでした。そして今、その夢をあきらめ、自分の故郷へと帰ってきました。講演会では、これまでの11年間にあったことと、これからの僕の夢をお話しさせてもらいましたが、このお話をいただいたことは、まもなく新たな門出を迎えようとしている僕にとって、まるで偶然のような必然だったのかもしれないと今になって思います。

自分を諦めずに歩み続ければ、人生の巡り合わせというものは、
本当にあるのだと思えることができました。

講演するきっかけとなった本村先生、梶原さんには大変感謝しています。

そして、海陽中学校の生徒たち。彼ら、彼女たちの目の輝きに負けないように頑張って行こうと思いました。またどこかでみんなと再会できることを心から、楽しみにしています。本当にありがとうございました。  


Posted by ヤマシタケンタ at 20:08Comments(2)島に生きる

2012年01月26日

3日間を終えて





先日のイベントの記事が
鹿児島経済新聞の(1月24日付)に掲載されました。
以下紹介します。

ーーー

鹿児島県薩摩川内市の甑(こしき)島で生産される郷土菓子「COPPA(こっぱもち)」や「つけあげ」「島米」などの即売会が1月24日、マルヤガーデンズ(鹿児島市呉服町)で開かれ、一時は行列もできるほどの人気を集めた。

即売会を開いたのは、甑島里町で農業を営むヤマシタケンタさん(26)。昔から鹿児島の家庭で作られてきた菓子「こっぱもち」を「COPPA」という商品名で全国的に売り出す計画だ。サツマイモを乾燥させ、もち米と混ぜて蒸してつく。自然な甘みと素朴な食感が特徴。試食した多くの客は「何だか懐かしい味」とつぶやく。

「甑島で採れたサツマイモともち米で、余計な味付けを控え、素材そのものの味を大切にして作った。きっとみなさんに喜んでもらえるはず」とヤマシタさんは胸を張る。3月には東京・恵比寿のアンテナショップ「emarche(エマルシェ)」で「COPPA」の直売会が企画されるなど、問い合わせも多いという。

ヤマシタさんは中学卒業後、騎手を目指して千葉県印旛郡にあるJRA日本中央競馬会競馬学校へ入学したものの中退。鹿児島でキビナゴ漁の漁船乗組員として働いた。その後、一念発起して高校、大学へ進学。京都造形芸術大学では環境デザイン学科で地域デザインを研究。「島に、生きる。」をテーマに、卒業時には学科賞と学長賞をダブル受賞した経歴を持つ。「東シナ海の小さな島ブランド社山下商店の代表兼百姓を務める傍ら『KOSHIKI ART PROJECT』の運営にも携わっている」と笑う。

ヤマシタさんが取り組むテーマは、「甑島のおいしい風景をつくる」。「小さな農業だからできることや小さな島だからこそできること、その中にある可能性を大切にしていくことで、自分たちが希望の種になりたい」とヤマシタさん。「競い合うのではなく、比較するのでもなく、自分たちの物差しで、甑島や甑島に関わる人びとと輝いていけるような農業を目指したい」とも。

即売会では「COPPA」(80グラム=560円、150グラム=650円)のほか、名産の「つけあげ」(5枚入り=630円)、「島米」(5キログラム=直売2,400円、通販3,500円)をはじめ、オーガニックせっけん(よもぎ、竹炭、島みかん)、つばき油せっけんなどにも人気が集まった。今後は豆腐の製造にも乗り出すという。

ーーー

3日間を終えて、
山下商店自体の方向性や商品の魅力向上にむけた今後の進め方など、いろんな勉強をした。おかげさまでCOPPAや島米、つけあげ、太陽のジャム(金柑)、甑風塩、椎の木のしいたけなどなど、多くのものを完売することができた。農業そのものが成り立っていないこの島で、原料を育てるところから商品をつくり出し、継続して販売していくことの難しさを痛感しました。またまたお客様に助けられた。そんな印象です。

ただ、継続して販売していくことの難しさが、逆に自分の事業(特に農業)のすすめかたが間違っていないことを証明してくれた。今はまだ規模はちいさいけれど、農業ありきではなく商品ありき。その商品の需要と同時に原料をつくるための農地を増やしていこうとしてる。それが東シナ海の小さな島ブランド社の農業生産部門。売り先が無いから、島では農業はできないと言って来た過去のやりかたに僕はこだわらないでいこうと思う。売り先って言う言い方はそもそも農家側の視点。僕は、これからも買い手であるお客様側に立って物事を考え続けていきたいと思う。そんなことを考えた3日間でした。  


Posted by ヤマシタケンタ at 16:54Comments(2)農業奮闘記