下甑島の旅1

ヤマシタケンタ

2011年09月11日 18:05



先日、下甑島に行ってきました。

今回の旅で、甑島列島にあるすべての集落(消滅した集落も含む)を回りきったわけですが、改めて甑島列島の面白さを感じることができた。「下甑は20年遅れている」といっている上甑島の人と会ったことがあるが、僕からしてみれば、地域力、地域らしさが問われている時代に、そんなことを言っていることのほうが、よっぽどナンセンスな気がしてならない。決して遅れているのではなく、大切にしていることのものさしが、自分たちとは違うだけなのだ。



下甑島の方言、伝統、暮らし、祭り、地理、集落コミュニティー、そのどれもが上甑島にある集落のどれとも違うことはすぐに分かった。もちろん、下甑島内にある集落もそれぞれに違いを持っていることも知る。"甑島"という一括りにされている地域の中には、列島であるが故に文化圏や生活圏が全く違うまちがあるのだから、まちごとに色んなことが違って当然なのだと思う。だからこそ、それを遅れているという言葉で一方的に表現してしまうことは、やっぱりナンセンスで正しくないような気がするのだ。

今回の旅は、いくつかの目的があった。

以前、NHKの新日本紀行というテレビで、甑島列島の特集を見たことがある。まだ、上甑島に収納小屋(シノーゴヤ)が立ち並び、下甑島に内川内小学校があった頃のものだ。そのときに流れていた三味線の音色と断崖上にある集落の風景が忘れられず、僕は下甑島の旅では内川内の三味線奏者を訪ねて歩いたのでした。

30名程度の小さな集落で、若者はひとりもいない。なにより、集落の区長を80歳を超えたおばあちゃんが担当していることに僕はとても驚いてしまった。平地はどこにも見当たらない。海が目の前にあるというのに海岸が一切見えないというような急斜面地に立ち並んでいる。水平線をみていると、ここが地球の最果てのような気さえしてくる。



あそこの家です。
内川内コミュニティの主事さんが、ご案内して下さいました。
お忙しい中、本当にありがとうございました!!

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