Engawa Cafe + 島内散歩
昨日は、川内市・鹿児島市内から島内散歩のお客様があり、
甑島に来たのが初めてというおふたりでした。
里港12:30着のフェリーで来島し、16:05発の高速船で本土に戻るという日帰りのスケジュールとのこと。今回の島内散歩の時間は13:00から15:45までとなっておりましたので、滞在時間のほぼ全てを同行させていただくことになりました。なんとも、甑島の第一印象が僕のご案内次第ということになってしまったわけです(笑)
もう二度と甑島へいくもんか。面白くなかった。そういわれてしまっては困るので、張り切って集合場所へ向かったところ、ご案内用の写真ファイルをうっかり車に忘れてきました(笑)
いかんいかん。
僕のガイドしている島内散歩は、観光の名所や景勝地などは一切ご案内しないので、初めて甑島を訪れる方々は満足していただけるのか、とても不安でした。では、一体どこをご案内するかというと・・・答えは、なんでもない島の日常。島の人にとっては、当たり前になってしまった風景も、島を知らない方にとっては奇跡のような光景にもなることがあります。実際に、甑島に住んでいる里青年団員を案内した時でさえも、あまりにも日常の風景すぎて見落としていたこと、知らなかったことが沢山あったとのことでした。
玉石垣の内部の構造や、どんな風にして積み上げたのかを見ることができるか?
やはり、見ようとしなければ、見えませんね。
知ろうとしなければ、そこに先人たちの手のぬくもりがあったことさえも分からないままなのです。
甑島にある歴史の登場人物や年号を覚えることも大切ですが、名もなき島の先人たちの苦労や生き方に触れることは、今の僕らにとって大切なことを教えてくれているような気がします。例えば、1192年に源頼朝が鎌倉幕府をつくったことは教えられても、どんな覚悟や想いで幕府をつくったのか、学校は教えてはくれませんよね。
この島の至る所では、名もなき偉人たちのぬくもりを垣間みることができるのです。
この島の海を、僕らはなぜ美しく感じるのか、
島の暮らしと向き合い始めて、最近ちょっとだけ分かってきました。
島内散歩の途中で、すれ違う島の人々と挨拶を交わしたり、会話したり、時にはお家に御邪魔したり、そのときそのときの出会いもやはり楽しいものですね。「トーラッシャイモーセー」(=通らせて下さい)と、島の方言を使ってお客様に挨拶していただくような場面や、洗濯物のあいだをくぐり抜けたり、普段の観光とはひと味もふた味もちがった甑島の旅になったのではないでしょうか。
背伸びせず、ありのままの甑島を「魅せる」。
でもそれは、地域がそのままであり続けていいということではないのです。
ただ見せるだけでも、意味が無いのです。
事務所に戻って、パソコンを開くと「今度は8月の下旬にみんなを誘って行きたい。」という御礼のメールが届いていました。
感無量とは、このことか!!!(笑)
さて、今夜もEngawa Cafe' 021のバータイム。
お食事の後にでも、お気軽にお立ち寄りください!
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