しまなび案内人

ヤマシタケンタ

2011年03月23日 17:10


今月に入り15日、17日、21日と上甑島の観光ガイドをしています。
薩摩川内市の主催するきゃんぱく(きやんせ博覧会 No.79)にも僕たちのガイドするまち歩きプログラムもありますが、それとは別に旅行代理店からの依頼を受けてお客様をご案内してきました。北海道からのご一行様、今月はこれまでに56名のご案内をさせていただきました。「島の若者と行く島内散歩」初めての試みでしたが、お客様の笑顔を見てひと安心。「忘れられない旅になりました。」「ケンタくん、一緒に夕飯も食べましょうよ!」「また、友達と来ますね。」「普段の旅行とは違う時間を過ごせました。」そんな声のひとつひとつが、とても嬉しかったなぁ。

プログラムの内容はというと、従来の観光スポット巡りや景勝地の案内とは違うものへ挑戦したいと思っていました。例えば、お墓の話。先祖を敬う信仰のこと。焼酎のこと。島立ちのこと。玉石垣のこと。家のこと。暮らしのこと。半農半漁のこと。失った風景のこと。植物のこと。台風のこと。海のこと。それは、僕自身がこの島の魅力がもっともっと身近なところにあるということを信じているから。島びとの人き方そのものが財産であると信じているからなんだと思う。まちあるきの最後は、Engawa Cafe' 021で台風の日の甑島体験でした。雨戸を閉めて、真っ暗な家の中でキャンドルの明かりだけで身を寄せ合いながら話をするのです。

新しいものではなく、そこにある価値。

その価値にどれだけ気付き、どれだけの光を当てられるかだと、僕は思う。

このプログラムで目指しているのは、観光ガイドではないガイド。言葉にすれば、生きることを島で学ぶ「しまなび」案内人かな。本当のことを云えば、ガイドしている自分が一番、甑島から、お客様から、生きることの意味を教えられているんだけどね(笑)

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